2023年5月31日 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会・厚生労働委員会 連合審査会(マイナンバー法案審議)「保険証廃止は、自立生活する障がい者を想定していません!!」
○天畠大輔君
代読します。
れいわ新選組の天畠大輔です。障がい者にとってのマイナンバーカードと保険証の一体化、保険証廃止の弊害について質問します。
マイナンバーカードと保険証の連携にあたっては、別人の情報がひも付けられるといった事例など、その信頼性を欠くトラブルが相次いでいます。さらに、5月17日の参議院地方デジタル特別委員会の参考人質疑では、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会の事務局次長・家平悟さんが障がい当事者の立場から参考人として出席されました。マイナンバーカードと保険証の連携が、利便性の向上どころか障がい者にとっては弊害となったり、医療からの排除にもなり得る危険性が述べられていました。
デジタル庁に設置された検討会においては、障がい者団体や入所施設、相談支援者に関する団体からヒアリングを行っていると伺っています。しかし、参考人の家平さんの団体やCIL関係の団体など、地域で自立生活を送る障がい者へのヒアリングが明らかに不足しています。地域で自立生活を送る介助が必要な障がい者は、個人情報の管理など、ごくごく当たり前のことをするのにも介助者の支援が必要になります。たとえば、私は、金融機関の通帳やキャッシュカード、クレジットカード、保険証、障害者手帳は自分で管理していますが、手足が動かせないため、必要なときは介助者にカードを取り出してもらわないと利用できません。また、必然的に暗証番号を介助者に教えることになります。
そういった状況で、マイナンバーカードへの一体化を進めてしまうと、利便性を感じる方がいる一方で、個人情報が1つのカードに集約されることで、介助者とのマイナンバーカードの共有に不安を感じる方もいます。たとえば、マイナンバーの管理は特定の介助者にしかお願いできないとなった場合、日常的に利用する保険証がマイナンバーカードになれば、介助者への共有をためらうのは当然だと思います。独り暮らしの障がい者にとっては、もちろん家族による管理も困難です。
河野大臣に伺います。政府は、マイナンバーカードと保険証の連携や保険証廃止を打ち出す前に、こうした地域で自立生活を送る障がい者の声もきちんと聴取すべきだったのではないでしょうか。大臣の見解を簡潔にお答えください。
○国務大臣(河野太郎君)
マイナンバーカードと保険証の一体化につきましては、デジタル庁で設置をいたしました検討会におきまして、障がい者の団体、障がい福祉サービスの事業者、あるいは相談支援者に関する団体からヒアリングを行ってきたところでございます。
これまで保険証を介助者に預けていた方はマイナンバーカードを預けるということが想定をされますが、保険証として利用する場合は顔認証又は医療機関職員による目視での認証を行うことになりますので、介助者に暗証番号を預ける必要はありませんし、介助者がこれを勝手に使うこともできません。
また、介助者が本人に同行して資格確認を補助したり、本人の代理として薬局に薬剤を取りに行く必要があるような場合には、資格確認書を活用することもできるというふうに思っております。
○委員長(鶴保庸介君)
速記を止めてください。
○委員長(鶴保庸介君)
速記を起こしてください。
○天畠大輔君
保険証を廃止しなければ済む話です。河野大臣は、先日、猪瀬議員の質問に対して、閉会後福祉施設へ視察したいと答弁されていましたが、全くもって遅いです。法案を通す前に当事者に話を聞くべきです。河野大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君)
デジタル庁の検討会で様々な関係の方からお話を伺っております。厚労省でこの保険証との一体化について様々な施策を検討してくれておりますので、私もそれについて確認にどこかで参りたいというふうに考えております。
○委員長(鶴保庸介君)
速記を止めてください。
○委員長(鶴保庸介君)
速記を起こしてください。
○天畠大輔君
いつ行くのでしょうか、疑問が残ります。保険証廃止は撤回すべきと強く訴え、質疑を終わります。