車いす議員5人で、改正旅館業法により障がい者らが不当な宿泊拒否を受けない指針をつくるよう厚労省に要望書を提出しました(9月25日)
第211国会で、改正旅館業法が成立しました。この法改正にあたっては、障害を理由とする宿泊拒否が生じうるなどの懸念が指摘されてきました。今年12月の法施行に向けて現在、「改正旅館業法の円滑な施行に向けた検討会」が開かれ、政省令と指針策定に向けた議論が進んでいます。
2023年9月5日の第2回検討会で示された政省令及び指針案は、障害者団体等への意見聴取が概ね反映された内容となっています。しかし、検討会における当事者委員は少数派です。障害等を理由とする差別を起こさないため、引き続き障害者団体やハンセン病関連団体の意見を最大限尊重し、政省令・指針が進むよう、車いすユーザーの国会議員5人(大河原雅子衆議院議員、横沢高徳参議院議員、舩後靖彦参議院議員、木村英子参議院議員、天畠大輔参議院議員)の連名で9月25日、厚労省に要望書を提出しました。
要望書の手交には、大河原雅子衆議院議員、木村英子参議院議員、天畠大輔参議院議員が参加しました。厚労省側からは、健康・生活衛生局の諏訪克之生活衛生課長がご対応いただきました。手交にあたって天畠のコメントは以下のとおりです。
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あかさたな)この法律により分断が深まらないか心配です。
代読)生活衛生課長の諏訪さん、今日はありがとうございます。
私は先の国会で、法改正に反対しました。やはり今でも、改正に向けた検討会のメンバーに、差別を受けてきた当事者が入っていなかったのはアンフェアだと思いますし、「過重な負担」という用語は使うべきでなかったと思います。今後、厚労省には法改正のプロセスを再考していただきたいと考えます。
今回の検討会でつくられる政省令と指針に、私たち障がい者の尊厳と社会参加が左右されると言っても過言ではありません。
検討会に、障がい当事者団体やハンセン病訴訟弁護団の方が3名参加しているのは良かったと思います。ただ少数派であることに変わりはなく、事業者側の方が多くを占めています。検討会では事業者側から、差別防止を厚く書き込むことについて、後ろ向きな発言もあったと伺っています。
障がい者や感染症患者といった弱い立場にある人の権利が侵害されないよう、ぜひ今回の要望書を受け止め、実現していただきたいと思います。また今回の検討会が、事業者側と利用者側の対立ではなく、相互理解が一歩でも進む場になるよう願っています。
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なお、旅館業法改正審議の天畠の質疑と反対討論はこちらからご覧ください。