「介助付き就労」学習会に参加しました(9月28日)

9月28日、永田町の都道府県会館で開かれた「介助付き就労学習会」に参加しました。

天畠は議員になる前から、生活動作(食事、トイレなど)や業務補助(PC 操作、読み上げなど)に介助を付けながら働く「介助付き就労」について、様々な形で学術研究をしていました。中でも3年前にはトヨタ財団の研究プロジェクトに採択され、多角的な調査研究に着手していました。昨年、議員になってからは研究代表を退き、仲間たちが研究プロジェクトを進めていました。28日はその発表の場。研究成果と政策提言は切り離せないため、議員や省庁関係者もお誘いし、ご参加いただきました。

プログラムは盛りだくさんでした。介助がないために就労への障壁がある当事者のインタビューや、アンケート調査結果など、研究成果の発表。3年前からともに研究を進めてきた、重度身体障がい当事者メンバーによる「わたしにとってのはたらく」の発表。ご自身も小児科医としての勤務にあたり、介助が公的に確保できずに苦しんだ経験を持つ、東京大学・熊谷晋一朗准教授の講演。メディアで早くも全文が公開されています。全国各地で重度訪問介護の訴訟や行政交渉を支援する藤岡毅弁護士と、ALS当事者として障がい者運動を推し進めている岡部宏生さん、そして熊谷先生という豪華メンバーによるパネルディスカッションもありました。

ご参加の国会議員の皆さんからは、ご挨拶をいただきました。石田昌宏参議院議員(自民党)、大河原まさこ衆議院議員(立憲民主党)、木村英子参議院議員(れいわ新選組)、倉林明子参議院議員(日本共産党)、寺田静参議院議員(無所属)、中島克仁衆議院議員(立憲民主党)、横沢たかのり参議院議員(立憲民主党)、早稲田ゆき衆議院議員(立憲民主党)、ありがとうございました。このほか、たくさんの国会議員からメッセージをお寄せいただき、また秘書さんが参加してくださった事務所もありました。

2019年に木村議員と舩後議員の議員活動中の介助保障が問題となってから、4年。参議院が議員活動中の介助費用を負担するという特例的な対応が続いてしまっています。一般の障がい者や、自治体議員を務める障がい者には就労中に公的な介助保障がない現状を打ち破るうねりを作り出したい、と天畠も挨拶しました。

*****

あかさたな)れいわ新選組の天畠大輔です。

 代読)私は議員になる前から、この「介助付き就労」というテーマについて研究してきました。私自身がいくら「働きたい」「社会と繋がりたい」と願っても、叶わない状況に置かれていたからです。私は本当に幸運にも今こうして参議院議員として活動をさせていただいております。木村さんも、舩後さんも、私も、議員活動中の重度訪問介護利用を求め続けておりますが、「参議院が介助費用を出す」という特例的な対応で今日まできています。これは国会議員だから、特権階級だから、ということで話を終わらせてはいけないと強く思っています。

WHOによると、世界人口のうち15%、つまり6人に1人は何らかの障がいを抱えた人です。言い換えれば、家族のうちだれか1人くらいです。障がいの程度にもよりますが、なにかしらの不自由を抱えること、介助が必要になることは決して他人事ではありません。そして自身や、身近な人が障がいを持った時「働きたい」「社会と繋がりたい」と思うことは贅沢なことでしょうか。障がいを持っていても、自分の可能性を諦める必要のない社会を、みなさんと一緒に作っていきたいと思っています。 

「障がい者が、これまで奪われてきた社会参加やつながりを回復し、社会に自己のニーズを訴える力を取りもどす」

「当事者のニーズ発信により社会変革する継続的なうねりを創りだす」

 今から3年前に、私が介助者たちと一緒に書いた「介助付き就労」に関する研究プロジェクトの計画書にある言葉です。今日の学習会はまさにその時の言葉が具現化したような気持ちです。当事者のニーズを起点とした社会変革のうねりを、今日の学習会から、みなさんと一緒に続けて作っていきたいと思っています。

 あかさたな)寝たきりになっても社会と繋がれる未来にしましょう。

 以上です。ありがとうございました。

*****

介助付き就労の実現の道筋は見えていません。天畠も研究プロジェクトメンバーもそれぞれの方法で、介助を付けながら自分らしく働くことが当たり前の社会を目指し、これからも活動を続けます。天畠の喫緊の課題は、厚生労働省告示第523号の改正。障がい者の移動中の介助ができるのは「通勤、 営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く」と定めています。厚労省はこの告示を理由に、就労中の重度訪問介護、同行援護、行動援護の利用を認めていませんから、この告示の改正が最初の大きな壁となります。今回の学習会で得られたつながりを生かし、一歩一歩進んでまいります。