2023年11月9日 厚生労働委員会質疑「災害時にも緊急時にも糖尿病をもつ人に安心を」

2024年1月25日、文部科学省とこども家庭庁が事務連絡「学校等における重症の低血糖発作時のグルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー®) 投与について」を発出し、学校や保育所、デイサービスなどの教育現場で生徒が重症低血糖発作を起こしたときに、「グルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー®)」を教職員などが投与できるようになりました。当事者や家族の方々が行政に働きかけを続けてこられ、天畠もこの質疑で求めていました。

○天畠大輔君
れいわ新選組の天畠大輔です。
まず、大学等でのヘルパー支援について質問します。代読お願いします。

私が重度障がい者として議員になって以降、各地からヘルパー制度に関する当事者からの相談が寄せられています。その中で、通学するときにヘルパー制度を使えず困っているという声も多くあります。私自身も、大学に通っているときにヘルパー制度が利用できず、ノートテーク等の支援は学生ボランティアを自分で集め、食事やトイレは母親が大学まで来て介助してもらうしかありませんでした。しかし、そのような体制では限界があり、通学できないこともありました。

厚生労働省の告示523号によれば、重度訪問介護等のヘルパー制度における外出介護については、「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く」と示されています。経済活動、つまり就労にヘルパー制度が利用できない問題はこれまでも委員会で指摘してきました。一方、就学についても、「通年かつ長期にわたる外出」にあたるとして、ヘルパー制度の利用が禁止されており、介助が必要な障がい者の教育を受ける権利が侵害されている状況です。また、大学の通信課程で学ぶ障がい者の方も多くいらっしゃいます。私自身もオンラインで博士号を取得しました。その場合は、基本的に居宅内での就学であり、外出にはあたらないため、これまでどおりヘルパー制度を利用することができます。しかし、自治体によっては、通信課程で年に数回しかないスクーリングによる外出においてもヘルパー制度の利用を制限している実態があります。

はたして年に数回のみのスクーリングが通年かつ長期にわたる外出に該当するのでしょうか。また、スクーリングでの重度訪問介護の利用について、個々のケースに応じて判断もせず、通学に該当する外出を一律に禁止するという自治体の判断は適切なのでしょうか。厚生労働省の見解をご教示ください。

○政府参考人(辺見聡君)
ご指摘いただきましたとおり、通学などの同じ場所への通年かつ長期にわたる外出につきましては、障がい福祉サービスにおける個別給付の対象とはしていないところでございます。また、お尋ねにありましたスクーリングにつきましては、様々な実施形態があると認識をしておりまして、一概に申し上げることは困難でございますが、短期であり、かつ反復しない外出につきましては重度訪問介護の対象となり得る場合もあると考えております。いずれにいたしましても、支給決定を行う市町村において、個々のケースに応じてご判断いただくものと考えております。

○委員長(比嘉奈津美君)
天畠君が発言の準備をしているので、お待ちください。

○天畠大輔君
ありがとうございます。おっしゃるとおり、自治体には個別的かつ丁寧な支給決定をお願いしたいです。代読お願いします。

また、スクーリングは、自治体が任意で実施する大学修学支援事業を利用して、就学中のヘルパー派遣が可能です。しかし、大学修学支援事業は、大学側が支援体制を構築するまでの期間しか利用できず、さらに、重度訪問介護よりも報酬単価が低いため、ヘルパー派遣を引き受けてくれる事業所は多くありません。十分な権利保障の制度とは言えません。
先ほど厚労省より、「市町村において個々のケースについて確認しながら支給決定し、ご判断いただくもの」と答弁いただきました。障がい者にとっては、自治体がヘルパー制度の利用を認めるか否かが、命を保てるか、そして社会参加できるかに関わる重大な判断となります。基準を作ることが難しいという行政側の都合によって障がい者の社会参加の権利が侵害される懸念を抱いています。
厚生労働省においても、自治体が障がい者の生きる権利や社会参加の権利を第1に考え、個別具体的に対応するよう助言していただきたいと思います。そして、学業をするときにも重度訪問介護を使えるよう、改めて改善を求めまして、次の質問に移ります。

さて、来週、11月14日は国連が認定した世界糖尿病デーです。私が障がいをもつきっかけは、若年性急性糖尿病となったことからでした。そこで、今日は、日頃より問題と感じている、糖尿病をもつ人々への災害時、緊急時の支援体制について質問します。

まず、災害時についてです。
資料1をご覧ください。
現在の国の「大規模災害時の医薬品等供給マニュアル」は、平成8年に阪神・淡路大震災を契機に作られたものです。ここでは、インスリン製剤の供給は、1番遅い、「避難所生活が長期化する頃」に分類されています。本文では、「インシュリンの様な特定の医薬品等の確保についても配慮が必要である」という文言のみで触れられており、その具体的な内容は示されていません。1型糖尿病患者や膵臓を全摘出手術した方は、膵臓から自己インスリンが出ないため、インスリン製剤を打たないと数日で死に至ります。インスリン製剤は、患者にとって、水と同じぐらい不可欠です。

代読いたします。
これまで、糖尿病をもつ人々は、被災地でインスリンの入手や、非常時の血糖コントロールに大変な苦労を強いられてきました。糖尿病ネットワークでは、東日本大震災等で被災した糖尿病患者の経験が伝えられています。例えば、勤務中に被災し自宅に帰ることができなかったという方は、公民館で一夜を明かし、翌日、インスリンを保管している会社に向かいましたが、エレベーターが止まっていたなどの理由で職場までたどり着けず、インスリンを持ち出すことができなかったそうです。
国のマニュアルは約30年間改定されてきませんでしたが、学会や患者会では、阪神・淡路大震災以降の大規模災害での経験から、糖尿病をもつ人々が災害を乗り越える方法を独自に検討し、アップデートして伝えています。ただ、国の施策とは連動しておらず、根本的な不安の解消には至っていません。

そこで、私は、厚労省にマニュアル改定を要望しました。特に、現在の「大規模災害時の医薬品等供給マニュアル」の中で、インスリン製剤が「避難所生活が長期化する頃」に位置付けられていますが、血液製剤のように、「災害が発生してから3日間」の超急性期に必要な医薬品として位置付けられるべきです。大臣、厚労省の検討状況をお答えください。

○国務大臣(武見敬三君)
委員ご指摘のマニュアルは、被災時に医薬品を適切に供給する目的で、災害対策の中心を担う都道府県の業務が円滑に実施されるよう、厚生省が平成8年に取りまとめたものでございます。その中で、災害発生時からの時系列で、1、外科系措置用、2、急性疾患措置用、3、慢性疾患措置用の順で医薬品等の需要が見込まれる旨が記載されております。このうち外科系措置用は、災害発生時から3日間に需要が見込まれる医薬品とされています。
このマニュアルには、インシュリン製剤について、慢性疾患措置用に掲げられております。一方、同時に、糖尿病患者に対するインシュリンのような特定の医薬品等の確保についても配慮するよう、都道府県に求める旨も記載されております。
その上で、災害の状況によっては慢性疾患措置用の医薬品等が想定より早い段階で必要となる場合もあることから、今般、かねてより、先生のご指摘を踏まえまして、昨日、事務連絡を発出し、本マニュアル上のインシュリン製剤について、災害発生時から3日間に必要な医薬品と同等に扱うことを明確にいたしました。
引き続き、都道府県と連携をし、災害時におけるインシュリン製剤を含む医薬品等の確保に万全を期してまいりたいと思います。

○天畠大輔君
昨日、事務連絡を発出いただいたとの具体的な対応、ありがとうございました。
もちろん、糖尿病をもつ人々は、災害用にインスリンを準備しておくなど日頃から努力して備えていますが、ひとたび大規模災害が起これば、地震で自宅が潰れたり、道路が寸断され、取りに帰ることができないなど、インスリンが持ち出せない状況になることも大いに考えられます。自助には限界がありますので、災害発生直後でも確実に確保できるよう、さらなる周知徹底もお願いします。

また、インスリン製剤があっても、それだけでは体内に取り入れることができません。注射針などが必要です。大規模災害時には、残り少ない備品を節約するために、通常1回ごとに交換する注射針を、やむを得ず自分にのみ数回使うことも致し方ありません。しかし、注射針を何度も使うことで詰まって、薬剤が出なくなる危険もあります。血糖値を確認するための測定チップや針も必要です。このような備品の確保についても事務連絡にきちんと明記されているのか、大臣から簡潔にお答えください。

○国務大臣(武見敬三君)
このインシュリン製剤を投与するための備品や血糖を確認するための備品、インシュリン製剤を接種する際に必要となるものであるため、インシュリン製剤に併せて確保することが必要であることを認識をしております。こうした備品は、都道府県においても製剤と併せて確保が進められているところであるが、今回のこの11月8日発出した事務連絡において、現行のマニュアルの具体的な運用として、これらの確保の必要性を改めて明記をいたしました。引き続き、都道府県と連携をし、災害時におけるインシュリン製剤を含む医薬品等の確保に万全を期してまいります。

○天畠大輔君
ありがとうございます。糖尿病とともに生きる人々は予備軍を含めると2,000万人、国民の約2割に近い数字です。この度の事務連絡は、彼らとその家族が災害の多い日本で安心して暮らせる大きな一歩であると確信しています。

次に、資料2をご覧ください。
令和4年には、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が糖尿病医療支援チーム、DiaMATを創設し、災害時に備えた患者教育や災害時の糖尿病患者支援を行っています。この度の事務連絡に加え、このような取組と連動すれば、災害発生後のインスリン供給についての情報共有等の分野で、国の災害対策がより実効性をもって位置付けられると思いますが、いかがでしょうか。大臣からお答えください。

○国務大臣(武見敬三君)
DiaMATにおいては、災害時に、糖尿病患者の避難情報などを基にインシュリン製剤がどのような場所でどれだけ不足しているかを把握し、メーカーに情報の連携を行っております。このため、災害時においては、その情報をDiaMAT、厚生労働省、都道府県、メーカー、卸売業者で共有することで、例えば都道府県における備蓄からの供給と、メーカー、卸売業者による供給に活用することが可能となり、ご指摘のような災害対策においてもより実効性が確保されるものと考えます。こうした点を踏まえ、今後はDiaMATを運営している糖尿病協会、糖尿病学会などと平素から緊密に連携を図り、災害時におけるインシュリン製剤の確保に万全を期してまいります。

○委員長(比嘉奈津美君)
天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。

○天畠大輔君
私が指摘したことで新たな連携につながり、非常にうれしいです。代読お願いします。

一方で、都道府県が備蓄する量や種類を割り出すためには、各地域の患者数把握が重要です。平時から、災害発生時に特に影響を受けやすい1型糖尿病患者やインスリン依存状態にある患者がどこにいて、どのインスリンをどれくらい必要としているのか等を把握するネットワークの構築も必要不可欠だと考えます。さらなる連携を切にお願いして、次の質問に参ります。

次に、糖尿病をもつ人への緊急時の投薬について質問します。
資料3をご覧ください。
今年9月5日、新潟県の小学校の給食で児童1人がアレルギー症状を発症しました。牛乳、乳製品にアレルギーがある児童の給食に対し、誤って乳成分が入った原材料を使ったといいます。学校に常備されている症状を緩和する自己注射薬、エピペンを教職員が児童に打った後、県立中央病院に救急搬送され、回復しました。この事故は、栄養教職員、調理員の見落としが原因とされていますが、病気や障がいを持つ人が生活する上で様々な不安がある中で、万が一の対応策があるのは必須です。
このように、アレルギー疾患を持つ児童生徒のアナフィラキシー対応では、エピペンの注射がその場に居合わせた教職員にも認められている一方で、糖尿病において口からブドウ糖が摂取できないような重症低血糖時の対応として処方されている、経鼻投与のグルカゴン製剤、バクスミーは家族と医療従事者しか使用できません。

資料4をご覧ください。
エピペンの注射は法的には医行為にあたり、医師でない者が医行為を反復継続する意図を持って行えば、医師法第17条に違反することになります。しかし、アナフィラキシーの救命の現場に居合わせた教職員がエピペンを自ら注射できない状況にある児童生徒に代わって注射することはやむを得ない措置として行われるものであり、医師法違反にならないとされています。教育現場でのエピペン投与が可能になった経緯と同様に、一刻も早く糖尿病をもつ児童生徒の重症低血糖時に教職員もグルカゴン製剤を投与できるようにするべきと考えます。厚生労働省での検討状況についてお答えください。

○政府参考人(浅沼一成君)
お答えいたします。糖尿病患者に対する重症低血糖時のグルカゴン製剤の投与につきましては、医学的な判断が必要とされる行為であり、医師やその指示を受けた看護師等のみが行うことができるとされております。他方、一般に医学的な判断が必要とされている行為であっても、緊急やむを得ない措置として行われる場合には医師や看護師等の資格を有さない者が投与することは許容される場合もございます。
これらを踏まえまして、糖尿病を患う児童生徒に対しまして重症低血糖時のグルカゴン製剤の投与を教職員が行う場合の取扱いにつきましては、緊急やむを得ない措置として必要かつ妥当か、実際に教職員が行うことができるかといった観点を含め、教育現場を所管している文部科学省と連携しながら検討を行ってまいりたいと考えております。

○委員長(比嘉奈津美君)
天畠君が発言の準備をしているので、お待ちください。

○天畠大輔君
教育の機会が奪われていませんか。代読お願いします。

1型糖尿病をもつ子どもたちは、大人でも難しい血糖コントロールをしながら勉強し、運動し、心身ともに成長する中で、社会で生活しなければいけません。思春期になるとホルモンの影響でさらにコントロールが難しくなります。それは、並大抵のことではありません。家族や主治医だけではなく、長時間過ごす学校との連携が絶対に必要です。万が一、重症低血糖が起こったとしても、正しい対処法を知っていて、周りにセーフティーネットがあれば安心して成長できるからです。
しかし、家族と医療従事者しかグルカゴン製剤を投与できないと活動が小さくなってしまいます。現に、水泳はさせない、マラソン大会は参加させない、遠足や修学旅行は必ず保護者が付き添う、付き添えなければ参加制限を強いられるというご家庭もあります。
決して、だれも病気や障がいを理由に、教育の機会を奪ってはいけません。インスリンとブドウ糖、そして緊急時のお守りであるグルカゴン。何よりそれを投与できる人が拡大できれば、1型糖尿病をもっていても、どこにでも行けて、何にでもなれる。子どもたちは病気があってもなくても自分は何でもできるんだという自信を、少しずつ付けていくことができます。

通告なしの質問になりますが、大臣に質問いたします。
教育の機会を奪わないためにも、教職員のグルカゴン製剤の投与について、より早急に検討していただけないでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。

○国務大臣(武見敬三君)
この糖尿病患者に対する重症低血糖時のグルカゴン製剤の投与を教職員が行う場合の取扱いについては、緊急やむを得ない措置として必要かつ妥当かという点だけではなくて、実際に教職員が行うことができるかなどの観点について検討をする必要があります。現在、現場を所管している文部科学省と協議をさせていただいているところなんです。引き続き、文部科学省と連携しながら、この検討を進めていきたいと思います。

○委員長(比嘉奈津美君)
天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

○天畠大輔君
ありがとうございます。是非、検討を進めてください。代読お願いします。

では、文科省にも伺います。教員の長時間労働や求められる役割の複雑多様化は、すでに広く知られた社会問題です。教育現場において、病気や障がいをもつ児童生徒への新しい薬剤が増えることについて、全教員参加の研修や周知をすることは負担もあると考えられます。
これまで、教育現場でアナフィラキシー時のエピペンやてんかん発作時の口腔用液ブコラムの投与が可能になった際、教職員への負担感については、文科省としてはどのような対策を講じているのでしょうか。お答えください。

○政府参考人(安彦広斉君)
お答え申し上げます。文部科学省では、日本学校保健会を通じまして、エピペンやブコラムの使用に関する研修会やその周知を行いまして、学校現場での対応が組織的かつ円滑に行われるよう教職員の理解増進を図り、その負担軽減に取り組んでいるところでございます。
また、児童生徒の健康相談及び保健指導に資するよう、日本学校保健会が発行する手引におきまして、食物アレルギーやてんかん等の疾患を有する児童生徒の健康相談事例を取り扱うなどしております。
引き続き、研修会の実施や手引の活用を促すことで、学校の教職員のアレルギーやてんかん等の疾患への理解増進とその対応への負担軽減に努めてまいりたいと考えております。

○天畠大輔君
ありがとうございます。教育現場で病気等をもつ児童生徒が過剰な制限や心配により孤立してしまわないよう、より一層の対策をお願いいたします。

緊急時の薬剤投与を教育現場の教職員が行うことについては、様々な要因を考慮しなくてはいけないということは承知しています。しかし、糖尿病をもつ人の重症低血糖時に血糖値を上げる処置を行うことについて、医療従事者や家族以外の投与を排除していない国もあります。オーストラリアのビクトリア州教育省では、生徒が重症低血糖になった場合、訓練を受けた教職員がグルカゴンを投与できます。また、アイルランドの公的医療サービスでは、管理職の責務として、教職員にグルカゴン投与などの糖尿病関係の訓練を受けさせることが明記されております。日本でも早急に検討すべきと考えます。

また、近年、糖尿病治療が飛躍的に進歩し、24時間の血糖マネジメントが可能になっています。すると、これから課題になるのは患者の高齢化です。実際に、2001年から10年間の糖尿病をもつ人の寿命は、30年前と比べて、男性で8.3歳、女性で10.2歳も延び、日本人全体と比較しても大差はなくなっています。糖尿病をもつ高齢の患者が大幅に増えることが予想されます。

一方で、平成29年、全国老人保健施設協会の聞き取り調査では、介護老人保健施設の入所受入れを断った理由として、原因となった疾患第5位に糖尿病が挙げられています。さらに、介護老人保健施設の約2割がその受入れに否定的な回答をしており、インスリン治療や血糖測定等が障壁となっている実態がうかがえます。
介助を必要とする高齢者や障がい者の中で糖尿病をもつ人は、血糖コントロールの自己管理が非常に難しい実態がありますが、今の日本は彼らをサポートする体制が追い付いていません。家族の献身で何とか対応している現状ですが、国はそれを前提にしてはなりません。

そこで、介助を必要とする高齢者や障がい者の中で糖尿病をもつ人々において、適切な訓練を受けた介助者が、重症低血糖の際はグルカゴン製剤を投与できるようにするべきです。さらに言えば、食事や高血糖の際のインスリン製剤投与も介助者がサポートできるよう議論を始めるべきと考えます。武見大臣、これらを視野に入れて議論を始めるのはいかがでしょうか。お答えください。

○国務大臣(武見敬三君)
糖尿病患者に対するインシュリン製剤やグルカゴン製剤の投与については、医学的な判断が必要される行為であり、医師やその指示を受けた看護師等のみが行うことができるとされております。ただ、他方、一般に医学的な判断が必要とされる行為であっても、緊急やむを得ない措置として行われる場合には、医師や看護師等の資格を有さない者が投与することが許容される場合もございます。介護者が糖尿病患者に対して緊急やむを得ない措置を行う必要性等について、これからよく現場の声を聞いて、まず状況の把握を始めさせていただくことでこの議論を始めさせていただきたいと思います。

○天畠大輔君
当事者のニーズが社会をより良くすると信じています。質疑を終わります。

〈配付資料〉


〈参考資料〉
「災害時に必要な医薬品等の確保について(周知)」の事務連絡
法令等データベースサービスにて公開