明星学園高校(東京都三鷹市)生徒さん主催のイベントでお話しました(2025年7月16日)

7月16日、東京都三鷹市にある明星学園高校の生徒さんが主催したイベントで、2年生の皆さんにお話してきました。内容は以下のとおりです。

れいわ新選組・参議院議員の天畠大輔です。身近な困りごとが、政治につながっています。

私は14歳のときの医療ミスが原因で、中途障がい者になりました。自分の口では話せないため、先ほどのような「あ、か、さ、た、な話法」でコミュニケーションをとります。

移動や食事、着替え、トイレなどすべての日常動作に介助が必要なので、「重度訪問介護」という名前の公的なヘルパー派遣制度を使い、何年もかけて20人ほどの介助者とともに、三鷹で一人暮らしをできる体制を整えてきました。2022年に、参議院議員になりました。

私は大学生のとき、ここ三鷹市にあるルーテル学院大学に通っていました。その後は立命館大学の大学院に進み、博士号をとって、ある大学の研究員に内定をもらいました。

それから今まで、ずっと解決していない問題があります。通学や通勤、仕事の時間中には、私が使っている公的なヘルパー派遣制度が使えないのです。私たち重度障がい者は、勉強も仕事もするな、家にいろと言われているようなものです。

なぜ、こんな理不尽なことが起こるのか。障がい福祉を担当している、厚生労働省が、障害者総合支援法という法律のもとで発出している告示523号に、理由があります。

この告示は、様々なヘルパー派遣を利用できる範囲を示しています。その中に、「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く」と書いてあるんです。

これは、私だけの問題では、ありません。

一昨年、三鷹市に住む、視覚障がいのご夫婦から相談メールがありました。自営業をしているのだが、店で使うものの買い物や、帳簿づけなどをヘルパーにやってもらえない。買い物するたびに、ヘルパーから「これは仕事で使うのか」と聞かれるようになり、監視されているようで息苦しい。

そこで私は、れいわ新選組三鷹市議会議員の石井れいこさんに連絡をとりました。

実は、それぞれの市町村が自主的に判断すれば、通勤や仕事、通学にヘルパーを使えるようになる「特別事業」を、2020年から厚労省が実施しているんです。ひとまずこの事業を三鷹市が導入すれば、この人の当面の困難はなくなります。石井さんは三鷹市議会の質問で、事業を導入すべきと迫ってくれました。この経過は、動画にまとめてあるので、ぜひあとでご覧ください。

残念ながら、まだ三鷹市は特別事業を導入していません。しかし石井市議はあきらめていません。

私は国会でこの問題のおおもとである告示523号による理不尽な利用制限をなくすために、国会質疑だけでなく、与野党の国会議員と何度も面談をしたり、大きな集会を開いたりして、理解を広めています。

この事例からは、自分の身近な困難は、同じように他の人の困難かもしれない、そして自治体や国のルールの不備や問題とつながっていることもある、ということがわかります。だから、自治体議員と国会議員のチームプレーも大事なんです。

制度やルールは、社会の変化に合わせて自動的に変わってくれるものではなく、結局、人が変えているのです。ですから、政治は、日々の生活で困難に直面しやすい人たちこそ議員となり、進めていくべきものだと思います。

消費税廃止、奨学金チャラ(返済免除)でおなじみのれいわ新選組ですが、結党当初から社会的弱者自身による政治を目指しています。特に2019年参院選では、重度障害の木村英子と、ALS患者の舩後靖彦を特定枠で擁立しました。憲政史上で初めて、24時間介助が必要な障害当事者議員が誕生しました。私はこの姿勢に魅かれて、2022年にれいわ新選組に加わりました。

「生きているだけで価値がある」の理念は、今後ますます重要になります。みなさんご注目ください。

お話のなかで触れた、石井れいこ三鷹市議との動画はこちらです。

7月18日には、毎日新聞朝刊東京版で、天畠の発言が紹介されました。