「天海訴訟東京高裁逆転勝訴!千葉市の上告受理申し立てに抗議する総決起集会」にオンライン参加しました(9月19日)
9月19日、衆議院第一議員会館で行われた「天海訴訟東京高裁逆転勝訴!千葉市の上告受理申し立てに抗議する総決起集会」にオンライン参加しました。
まず天海訴訟の概要について、支援する会のホームページより引用します。
重度の障害者の人たちは障害者総合支援法により、自宅内でのヘルパー介護や外出時の介助などの福祉サービスを活用し、毎日元気に生活し、また社会へ参加しています。ところが65歳になると介護保険法適用へ強制的に移行させられます。支援法第7条が介護保険を優先して適用することを定めているからです。
一人の障害者が、身体の変化や環境の変化等何もなく、また生活スタイルの変更希望等もないのに、昨日までは支援法、今日からは介護保険法とされてしまうのです。その結果、それまで負担金無料で活用してきた福祉サービスが、毎月1万5千円必要になります。(住民税非課税世帯の場合)また自らの意思で社会参加を目的とした総合支援法の適用をうけてきたのに、目的の異なる介護保険法を適用されてしまうという、一個人としての尊厳を大きく傷つけられることになります。
この問題は「65歳の壁」として全国の障害者の方々と共通の問題です。障害者を年齢だけで差別するような法律は改められるべきです。このような制度に対し、天海正克さん(千葉市在住)は裁判を起こしました
天海訴訟を支援する会
介護保険を優先とした上で足りない分を障害福祉サービスで補うことはできまし、厚労省はそのような通知も出しています。しかし、自治体の判断によっては一律に介護保険を優先する、障害福祉サービスを不当に打ち切る、といった事態が現に起きています。天海正克さんは障害福祉サービスを不当に打ち切られ、千葉市を訴えました。東京高裁で勝訴しましたが、千葉市が上告したことにより、現在も闘い続けています。集会の趣旨は以下のとおりです。
天海正克さんが千葉市を相手取って、2015年11月27日に訴訟を起こしてから9年が経過しました。東京高裁の判決では天海さんの全面勝訴となりました。この判決は、天海さんに対する自治体の人権保障の責務を明確化したものと言えます。 しかし千葉市は、東京高裁のの判決を不服として最高裁判所に上告受理の申立てを行い、天海訴訟は最高裁判所で争われることになりました。 千葉市は高裁で判示された自治体の役割と責任に正面から向き合おうとはしていません。このような千葉市の対応に怒りが広がっています。勝訴確定を目指し、最高裁判所へ「天海さんの人権保障を遵守した東京高裁の判決を尊重し、最高裁においても公正な判断をして下さい。」との署名活動を行います。 千葉市の反住民姿勢に抗議するとともに、署名活動の出発点として、総決起集会を開催します。 皆様のご参加、ご支援を心からお願いいたします。
総決起集会チラシ
天畠のメッセージは会場で、秘書が読み上げました。
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れいわ新選組の天畠大輔です。
障害者の生活を守るはずの千葉市が、「介護保険優先原則」を盾にして、天海さんの障害福祉サービスを一方的に打ち切り、裁判で違法判決が出たにもかかわらず、責任を認めず上告する。障害当事者として憤りを感じます。
天海さんが利用していた居宅介護、私が利用している重度訪問介護は、障害者の人権保障を目的にした障害者総合支援法に基づくサービスです。介護の家族依存を是正するために作られた介護保険法とは、法の目的から違います。
前国会では厚労委員会において、障害福祉サービスは介護保険に置き換えられないことを大臣に訴えました。また、介護保険優先原則を踏まえた具体的な運用例をまとめた事務連絡に、介護保険の訪問介護と障害福祉サービスの居宅介護・重度訪問介護の違いを明記するよう求めました。
その結果、「居宅介護や重度訪問介護を利用する障害者について、個々の障害者の障害特性を考慮し、介護保険の訪問介護の支給対象とならない支援内容や時間(例えば、家事援助として認められる範囲の違いや、日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守りなど)が必要と認められる場合に、介護保険の訪問介護の支給とは別に居宅介護又は重度訪問介護の利用を認める。」という文言は入れてもらえました。
しかし、あくまでも介護保険との併用が前提となった運用は何も変わっていません。特に、見守りを含めた断続的かつ総合的な支援である重度訪問介護が障害福祉固有のサービスではないとする厚労省の見解には断じて同意できません。今後も、裁判の根本の原因となった介護保険優先原則を変えるために、障害当事者の立場から取り組んでまいります。天海さん、支援者の皆さま、ともに闘いましょう!
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天畠が前国会の厚労委員会で障害福祉サービスは介護保険に置き換えられないことについて質疑した内容はこちらです。今後もこの問題に継続して取り組みます。