2022年12月2日 予算委員会質疑「障がい者束ね法案提出 杉田水脈政務官「生産性」発言を許す総理の責任を問う!」
○天畠大輔君
れいわ新選組の天畠大輔です。代読お願いします。
10月20日の予算委員会で、総理は私の質疑に関する合理的配慮について、「どれだけ応えられるか皆で考えていきたい」とおっしゃいました。
しかし、今日も時間を止める判断は委員長の裁量に委ねられています。発言の権利がいつでも保障されているとは言えません。
資料1をご覧ください。
総理には是非実際のネット中継も見ていただきたいのですが、この予算委員会以外のほかの委員会では、通訳の間、ネット中継の音声が止まります。
私が自分の言葉で発信していることが国民に伝わりません。
だから時間延長を求めていますが、実現はしていません。
さて、合理的配慮の提供義務は立法府には課せられていません。
総理、障害者差別解消法では、立法府においても差別解消を推進する責務はないのでしょうか。
どうすれば立法府における合理的配慮が進むとお考えですか。
考えていきたいという言葉が本当ならば、政府としても方策を検討していただけませんか。お答えください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君)
障害者差別解消法第3条においては、国及び地方公共団体の責務として、法の趣旨にのっとり、障がいを理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、これを実施しなければならないこととされており、国会についてもこの責務を負っているものと考えます。
一方、障害者差別解消法においては、国会における合理的配慮の提供について直接規定されておりませんが、国会においても障害者差別解消法の趣旨を踏まえつつ、実態に即した自主的な取組を行うことが期待されていると考えます。
政府としては、その具体的なあり方について国会に申し上げる立場にはありませんが、先日の答弁で申し上げたように、国会の制度の中でどういったことが可能か、国会において皆で議論していくことが大事だと考えております。
○天畠大輔君
ただ、行政、司法、立法がにらみ合っていては進まないこともあります。
引き続き議論をさせていただきたいと提起し、次に行きます。
先日、障がい者関連の束ね法案が衆議院で可決されました。
10月20日の予算委員会で、私は、「当事者の声を聞く機会をつくってください」と総理に申し上げ、総理は、「是非お話を聞かせていただきたい」と答弁しました。
あれから総理ご自身は当事者に会って話を聞いた上で束ね法案を提出したのでしょうか。お答えください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君)
私自身、そうした様々な関係者の意見を聞くことは大事だということを申し上げましたが、今現在、具体的にお話を直接聞く機会は持てておりません。
○委員長(末松信介君)
計測を止めてください。
天畠君が発言の準備をしていますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君
会わずに束ねるのは乱暴です。代読お願いします。
日本の政策決定には、障がい者本人の参加を保障する法律などの仕組みはありません。
当事者不在のまま議論を進めるとどうなるか。
当事者を保護すべき弱者の立場に押し込めてしまいます。
たとえば、あくまで一例ですが、今回の束ね法案のうちの精神保健福祉法。
法改正のもとになった検討会の人選は省庁が行い、全24名のうち当事者はたった3名、家族も1名のみでした。
その結果、出た法案はどうだったか。
国連勧告で強制入院の廃止が求められているにもかかわらず、拡大しかねない内容となっています。
総理と政府の責任は重いと認識していただきたいです。
次に、杉田政務官の発言について伺います。
杉田政務官は、LGBTに「生産性がない」と書きながら、そこに「差別する意図はなかった」と私に答弁しました。
とぼけたと言うと言葉が過ぎるかもしれませんが、耳を疑うような答弁です。
生産性のない者は支援に値しない。
こうした考え方は、障がい者や同性愛者を社会の役に立たない存在として葬り去ろうとしたかつての全体主義と重なります。
独裁者だけが、これらの人々を迫害したわけではありません。
そこには、生産性のなさそうな人々を排除することで、自分も国家の役に立てるのだと考えた民間人も数多く参加していました。
今の日本社会を見ると、静かに過去の過ちを繰り返そうとしているように思えてきます。
私が恐れるのは、この発言が謝罪も撤回もされないまま生産性至上主義的な価値観が広がることです。
岸田総理は、杉田政務官に撤回・謝罪を諭し、求めることもしない。
それではあの言葉が内閣の意思ということになってしまいます。
総理は、あの耳を疑うような答弁を認めるのですか、お答えください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君)
杉田政務官は、LGBTには生産性がないといった過去の表現に関し、総務大臣の指示に従って、この表現によって傷つかれた方々に謝罪をし、撤回をしたということを報告を受けております。
政務官に着任する前の表現ではありますが、内閣の一員としての意識を改めて持っていただいたと受け止めています。
引き続き、岸田内閣の方針に沿って、その職責を果たしていただきたいと思います。
○委員長(末松信介君)
計測を止めてください。
天畠君が発言の準備をしておりますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君
撤回と謝罪はまだされていません。
総理が言ったことが事実ならば、杉田氏に面会をさせてください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君)
私の方には、そのご指摘のような表現によって傷つかれた方々に謝罪をし、撤回をした、こういった報告を受けております。
これを、この謝罪、撤回したことについていま一度確認をいたしますが、本人は謝罪し、撤回したものと私は受け止めております。
○委員長(末松信介君)
計測を止めてください。
天畠君が発言の準備をしておりますので、しばらくお待ちください。
○天畠大輔君
私たちは皆、生産性を超えた価値があるはずです。そのメッセージをもっと国民に届ける必要があると思います。
総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君)
おっしゃるとおりだと思います。
私たちは、それぞれ様々な個性を持ち、それぞれの生産性を持ち、希望を持って生きているわけです。
こうした社会でありたいと思いますし、そうしたことをしっかりと私たちは発信していくことが大事だと考えます。
○委員長(末松信介君)
計測を止めてください。
天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君
牧歌的な総理の態度がまだ許せていません。
質疑を終わります。