シンポジウム「障害者の免許全件交付を受けて~可能性、もっと広がる~」に参加しました(2024年11月27日)

11月27日、シンポジウム「障害者の免許全件交付を受けて~可能性、もっと広がる~」に参加しました。イベントの趣旨は以下の通りです。

障害や疾患のある人には資格を与えない可能性のある規定(欠格条項)が、今も、約700の法令にあります。それでも、実際には、障害のある人への免許交付件数は年々増え、医療関係の資格免許だけでも年平均106件です。

今では、医師、看護師、臨床検査技師、救急救命士などで、耳が聞こえない人や、目が見えない人、精神疾患がある人が、各地で活躍しています。

このたび、調査をしたところ、免許交付を申請した人は全て免許を交付されていることがわかりました。欠格条項の存在によってあきらめる必要はなにもありません。そのことを、皆さんに知っていただきたく、このイベントを開催します。

難病があり目が見えない医師、臨床実習中の耳が聞こえない医学生、発達障害をもちながら働く看護師、重複障害のある社会福祉士などから、それぞれの体験が話されます。みなさん、ふるってご参加ください!

私は今年4月、障がいを理由とする欠格条項について国会で質疑しました。また5月には、障がいを理由とする相対的欠格条項のある国家資格を管轄する各省庁に対して、障がいがある人の免許申請と免許交付の件数(2016年度以降)を問い合わせ、全件交付の事実が明らかになりました。そこで今回のシンポジウムでご挨拶の機会をいただきました。

れいわ新選組・参議院議員の天畠大輔です。社会福祉士を取れませんでした。

まず、私自身の話からさせてください。15年ほど前、私は大学から社会福祉士の受験推薦が得られませんでした。

介助を付けて実習を済ませ、点数も十分だったのにです。「社会福祉士の仕事の本質の部分は、介助を付ければこうできる」ではなく、「前例がない」という予防的発想の門前払いで、あきらめざるを得ませんでした。あのむなしさをほかの障がい当事者には味わってほしくないという思いから、国会質疑などの活動をしています。

相対的欠格条項のことは、なかなか一般の人に伝わりにくく、政府に問題を訴える難しさを痛感しています。でも、相対的欠格条項は確実に私たち障がい者にプレッシャーをかけ、選択肢を狭め、社会参加をはばんでいます。

今回、全件交付のデータが示されたことで、政府も国会ももっと危機意識を高めるべきです。今日の皆さんの発言が、その後押しになることは間違いありません。

私も微力ながら、頑張ってまいります。お時間いただき、ありがとうございました。

シンポジウムに登壇した、国家資格を持ち働く障がい当事者の皆さんのお話からは、制度の課題も浮き彫りになりましたが、とても勇気づけられました。今後アーカイブ配信も予定されているそうなので、ぜひ多くの人に視聴いただきたいと思います。