2024年6月12日 政治改革特別委員会質疑(政治資金規正法改正案審議)「やましくないならなぜ10年隠す!?まずは裏金問題真相究明を」

〇天畠大輔君

代読いたします。れいわ新選組の天畠大輔です。初めに、鈴木馨祐議員の座右の銘について伺います。「千万人と雖も我往かん」の意味を、鈴木議員、教えてください。

〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

その意味というか、私がなぜ座右の銘としているのか、そこについては、当然、その一つだけということではありませんけれども、その意味するところについて申し上げれば、やはりここは自ら様々なことを考えながら、これが正しいのだと、そういったことを、多くの方とも議論しながら得た結論ということについてはしっかりそれを正しく行っていく、これは様々ないろいろな意味での障害があってもそこはきちんと前に進んでいく、そういった趣旨で私はこれを座右の銘としております。

〇委員長(豊田俊郎君)

計測を止めてください。天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。


〇天畠大輔君

ありがとうございます。あなたは座右の銘に本当に忠実ですね。代読お願いします。

自民党の改正案に対して7割の有権者がノーを示しているにもかかわらず、あなたは「何するものぞ」とばかりにこの声を無視して法案を押し通そうとしています。しかし、あなたが本来立ち向かう敵は多数の有権者ではなく、政治資金の適正化・透明化に対してかたくなに抵抗しようとしている最大与党、自民党の同僚議員たちではないのですか。


さて、政策活動費の領収書が10年後に公開されたとしても、政治資金収支報告書及び選挙運動費用収支報告書はいずれも保存期間が3年であり、領収書公開時点では政策活動費から行われた寄附について照らし合わせる報告書は廃棄されていることになります。鈴木議員、どうお考えですか。

〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

この政策活動費についてでありますが、先ほど来答弁もさせていただいておりますけれども、今回、我々としてもこの透明性を図っていく、その趣旨から、これまで公開対象でなかった項目あるいは年月、こうしたことをきちんと本体の報告書に書くということでその透明性について担保をしております。

そういった中で、そこの適切性についてはこれでしっかりと担保をされる、ただ同時に、10年後、この公開ということでよりそこの透明性というものを更に向上できるように、そして不適切な使用を抑止をする、そういった機能としてこの10年後の公開というものと双方、この両立がされていると承知をしています。


〇天畠大輔君

代読いたします。選挙運動費用収支報告書は、市区町村、都道府県選管で3年保存で閲覧のみ可能なため、オンライン公表されていません。一方、政治資金収支報告書は、インターネット公表されているものの、公式には3年で削除されてしまいます。国立国会図書館のインターネット保存事業により、アーカイブで検索、ダウンロードできますが、47都道府県のうち16自治体については国会図書館に直接出向かない限り閲覧自体できないというのが現状です。保存期間の延長は絶対必要と考えますが、鈴木議員、いかがですか。


〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

今ご指摘のこの報告書の保存期間あるいは閲覧の方法等については、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」、これ、政治資金規正法の第1条にありますけれども、この法の目的、趣旨を前提としながら、一つには、報告書には支出先や寄附者個人の氏名や住所といった個人情報が含まれること、さらには膨大な量の報告書の保存にはもろもろのコストが掛かることなどの事情も十分考慮した上で検討を考えていく必要があろうかと思います。


収支報告書の公開については、インターネット公表制度に加えて、総務大臣又は都道府県選挙管理委員会が保存する紙による収支報告書の閲覧制度もありますが、今回の改正では、この紙による収支報告書の閲覧は従来のままとしているために、収支報告書の保存事情等の状況については従来と変わらないという状況であります。したがいまして、この保存期間あるいはこの閲覧等のこの3年というこの期間についての改正については特段行っていないということであります。

〇天畠大輔君

代読いたします。さらに、違法な寄附等が発覚した場合、公訴時効が経過していると思われます。公職選挙法221条1項は、買収及び利益誘導罪の法定刑として、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50円以下の罰金」を規定していますが、公訴時効は3年です。証拠となる領収書が公開された時点で時効が成立してしまっています。今般の法改正は買収行為の証拠隠滅に加担していると言っても過言ではありません。

領収書公開によって違法行為が発覚し、なおかつ時効の成立によって訴追を免れた議員に対して、自民党はどのように対応しますか。おとがめなしですか、それとも、独自に何らかの処罰を与えますか。お答えください。

〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

今お話のありました領収書の公開によって発覚をした場合ということでありますけれども、そもそも私どもとしては、この政策活動費も含めて、特にこの政策活動費については、その使途あるいはその適切な使用がされているかどうか、ここについて、我が党ということで申し上げれば、党内のガバナンスにおいて、財務委員会においてそこのチェックというものをしております。


そういった中で、当然違法性というものがあるということは考えられないことでありますけれども、もし万が一こうした政治不信を招くようなそうしたケースがあるとすれば、党則やあるいは党規律規約に従って処分を行い得る、これが我が党の状況であります。

〇委員長(豊田俊郎君)

計測を止めてください。天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。


〇天畠大輔君

国会議員は特権階級だから許されるなんてことはないですよね。鈴木議員、どうなんですか。


〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

そのようなことはあり得ないと思います。


〇委員長(豊田俊郎君)

計測を止めてください。天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。


〇天畠大輔君

民間企業は1円たりとも脱税が許されません。その一方で、政治団体のルールは抜け穴だらけです。代読お願いします。

企業や労働者はその収益や賃金から税金を納め、国の歳入に繰り入れられ、政策実現のために使われます。社会の基盤を支える極めて高い公共性がそこにはあり、国からの厳しい監視のまなざしを受けています。

さて、政治資金についてはどうでしょうか。いやしくも政治活動に関するお金である以上、その出どころや使途はガラス張りであるべきです。ここにも極めて高い公共性があり、国民・市民からの厳しい監視のまなざしを受けなければならないはずです。しかし、自民党はそのまなざしが届かない死角を作ってきたのです。今般の「裏金」問題で、自民党は、その経済基盤が不透明かつ不明瞭であることが露呈しました。この大きな不祥事の真相究明に頬かむりし、かつ法案提出の主役となっている厚顔ぶりに驚きます。このような状況は社会に対して深刻なモラルハザードを引き起こすという心配は自民党にはありますか。自民党案からはそのような危機感をまったく感じることができません。

次に、「政治団体」についてです。国会議員関係政治団体は特定の公職の候補者を推薦・支持することを目的とした政治団体で、かつ、寄附控除制度の適用を受けるものに限定されています。一方で、国会議員関係政治団体以外の政治団体は、特定の政治家の実質的な後援会機能を果たしていたとしても、その実態がとても不透明な制度となっています。名称の中に政治家の名前が入っていない、同じ名称の政治団体が複数存在するなどといった実態があります。


れもんの会、世界しりたかフォーラムなど、一読してどの政治家の団体なのか判別できません。信政会、これは、複数の政治家関係のそれぞれ同じ名前の別団体です。極めて分かりにくい状態であり、「情報公開クリアリングハウス」など志ある団体や個人が手弁当で入力作業をしながら政治家との関連性の糸口を探して、やっとたどり着いている状態です。

そもそも、特定の公職の候補者を推薦・支持することが目的としている団体は初めから国会議員関係政治団体とすればよいと思いますが、いかがですか。

〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

今ご質問の中にありました、「特定の公職の候補者を推薦・支持することを目的としている団体」ということでありますけれども、そういった政治団体の中には、当該公職の候補者と関係が深いものもあれば、いわゆる勝手連のように公職の候補者と直接の関係を持たないものもあります。このようなものまで国会議員関係政治団体に含まれてしまうと実態に即しておらず適切ではないことから、政治団体との関係性を踏まえて、公職の候補者が当該政治団体に通知をすることで国会議員関係政治団体として届け出ることができる、いわゆる2号団体該当通知という仕組みが設けられたものと承知をしております。


したがいまして、特定の公職の候補者を推薦・支持することを目的としている、そうした団体のすべてを国会議員関係政治団体とすることは困難ではないかと考えております。

〇天畠大輔君

代読いたします。また、修正法案では、1000万円以上の寄附を国会議員関係政治団体から行った政治団体を国会議員関係政治団体にみなすとの規定になっていますが、1000万円以上とした理由をお聞かせください。


〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

この改正案の中のみなし国会議員関係政治団体でございますが、寄附という外形的な行為のみで厳格な規制の掛かる国会議員関係政治団体とみなすと、そういった趣旨の規定であります。この寄附という行為自体は、国会議員と関係が深い政治団体に対して行うものに限られず、単に支援対象である政治団体に対して行うこともあり得るということであります。

このために、対象とする金額の設定によっては、明らかに国会議員関係政治団体と同レベルとは言えないような団体にまで国会議員関係政治団体の特例が適用されてしまう、こういった懸念もあります。

そこで、みなし規制が適用される寄附の基準額については、このような明らかに国会議員関係政治団体と同視できる、こういったものに限定をするという趣旨から、寄附の金額を1000万円以上としたところであります。なお、この1000万円を下回る場合であっても、国会議員関係政治団体から寄附の金額というのは、これは公表の、公開の対象でございます。その規制逃れが推認できるような場合には厳しく政治的な責任を問われることになろうと考えております。

また、私ども提案者といたしましては、金額の多寡にかかわらず、厳格規制を逃れるために資金移動を行っているとの疑念を抱かれることがないよう、その実態を踏まえて必要に応じて国会議員関係政治団体としての届出が求められている、そのように考えております。


〇委員長(豊田俊郎君)

計測を止めてください。ただいま発言の準備をしておりますので、お待ちください。

〇天畠大輔君

ルールが極めてずさんですね。代読お願いします。

例えば999万円を複数の団体に献金した場合、適用除外になりますね。そのような実質上の抜け穴を防ぐ手だてはありますか。

〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

先ほどご答弁も申し上げましたが、1000万円を下回る場合ということであっても、その関係して規制逃れが推認できるような場合については厳しく政治的な責任を問われるという状況になると思います。

まさに、法案ということでいえば、1000万円ということで今回設けておりますので、それ以下ということは対象にはなりませんが、しかし、ここはそうしたそれぞれの政治団体においての疑念が持たれないような、そういった運用というところ、こういったものをしっかりと我々としても見ていくということだと思います。


〇天畠大輔君

代読いたします。金額に制限を掛ける限り、「それより1円少なければオーケー」ということが必ず起きます。政治の現場で使われるお金に1円たりとも裏金や不透明なお金があってはなりません。そして、その情報はすべて国民・市民から不断の監視を受けるべきなのです。


台湾では、国や自治体が提供するデータを基に、市民や社会の課題解決のためのアプリサービスを開発する民間のシビックハッカーが活躍しています。その一つである「ガブゼロ」は、「政治をゼロから再考する」というスタンスの下、2012年に設立され、政府のサービスを最適化するため、ITの専門知識を活用して解決策を提示する活動を非営利で行っています。政治献金のデジタルオープン化にも取り組んでいます。

かつて、台湾では政治献金は行政監督機関である「監察院」のパソコンでしか閲覧できず、政治に不透明さが残っていました。そこで、ガブゼロは政治献金資料のデジタルデータ化に独自に取り組み、結果として、選挙中に不透明なお金の流れがあることを突き止め、世論を喚起しました。その後、2018年には、政治献金法が一部改正され、全データをネット上に公開することとなりました。さらに、ガブゼロは、そのデータを活用し、資料1をご覧のとおり、政治資金の流れを可視化したデジタルプラットフォームを構築しました。それぞれの立候補者の政治献金総額、子会社、関連会社を含む献金元の企業や団体名、その業界、金額などが一目瞭然となっています。

一方、日本では、これだけ世論が喚起され、国会で議論がされても、政策活動費自体は廃止されず、政治団体そのものの透明化も不十分、市民側が政治をきちんと監視できるほど十分な情報公開がなされていません。そのことを重ねて指摘し、次に行きます。

附則の中にある「政治資金に関する独立性が確保された機関の設置」についてお聞きします。この第三者機関は、政治団体ごとの監査だけでなく、政治団体を横断した監査も行いますか。また、総務省分だけでなく、都道府県所管分にも権限が及びますか。

〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

まず、この「政治資金に関する独立性が確保された機関」についてでありますけれども、この第三者機関の権限、とりわけその監査のあり方、これをどうしていくのか、これはその検討にあたり極めて重要な点だというふうに考えております。


第三者機関について申し上げれば、例えばその監査の対象をどの範囲にするのか、あるいはどこまで権限行使を認めるのか、これ、今ご指摘の、例えば政治団体を横断したもの、あるいは総務省分だけではなくということも含めて、ここをどこを対象にするのか、それは中立性の議論であったり、あるいは秘密保持をどう担保するのかという議論とともに、各党会派と今後しっかりと議論をし、その詳細について詰めていくものと承知をしております。

〇天畠大輔君

代読いたします。次に、データベース化について伺います。収支報告書を各都道府県選管、総務省に分散させるのではなく一元的に集約すること、また、その一元化した情報をデータベース化、すなわち収支報告書の記載内容を検索可能な状態にすること、この2点について見解をお聞かせください。


〇委員長(豊田俊郎君)

時間が参っておりますので、答えは簡潔にお願いします。


〇衆議院議員(鈴木馨祐君)

今ご指摘のこの収支報告書のデジタル化に係る一元的な集約やデータベースの構築、ここは附帯決議にもございます。こうした附帯決議において、この政治資金の透明性の向上という観点から有意義なものであると考えております。


この構築については、委員ご指摘の、ご提案の方法も含めて、情報の検索機能をどのようなものにするかという点についての各党での議論を行った上で予算措置や技術的課題の整理などを行う、その必要もあると思いますが、その上で、検索可能なシステム、これを目指していくべきだというふうに考えております。

〇委員長(豊田俊郎君)

時間です。申し上げます。時間が参っておりますので、おまとめください。

〇天畠大輔君 代読します。まとめます。情報公開は民主主義の根幹です。今こそ立ち止まり、もう一度真相究明から始めるべきと申し上げ、質疑を終わります。

〈配布資料〉