2023年4月27日 厚生労働委員会質疑(全世代型社会保障法案審議 参考人質疑)「入院/受診の介助者付添いは重度障がい者の生命線!」

○天畠大輔君 
れいわ新選組の天畠大輔です。
参考人の皆さま、本日はよろしくお願いいたします。代読お願いします。

代読します。
後期高齢者医療制度について、井上参考人、山本参考人のお2人に伺います。
政府は、2008年より高齢者を65歳以上75歳未満の「前期高齢者」、75歳以上の「後期高齢者」に分け、後期高齢者には独立した医療保険に加入させる「後期高齢者医療制度」を創設しました。高齢者を二分するこの仕組みは、国民皆保険の国ではほかに例がないと聞きます。
全世代にとって「安心して歳を取れる社会」に向けて、持続可能な医療保険制度を検討するにあたり、前期高齢者と後期高齢者を分ける制度設計は本当に必要なのか否か、そして必要である又は必要でないとする理由について、参考人お2人のそれぞれのご意見をお聞かせください。井上参考人から先にお願いいたします。

○参考人(井上隆君) 
日本の人口構造が大幅に変化する中で、高齢者の方の割合が非常に増えて現役世代が減っているという中で、この後期高齢者の医療制度を現役世代と違う制度にするという手当てを行ったということにつきましては私は妥当だというふうに考えております。
ただ、現在でも、現役世代が、後期高齢者あるいは前期高齢者に対しての拠出支援という金額がやはり巨額になっておりますので、この負担のあり方等々につきましては今後も様々な検討が必要ではないかというふうに考えております。

○参考人(山本淑子君) 
ご質問ありがとうございます。
私は、そもそも、先ほどの最初の発言でも申し上げましたけれども、収入の限られた高齢者だけを切り分けて独立した制度にすると、しかも、最初の段階でもう現役世代からお金を入れなければ成り立たない制度だということが分かっていたわけですので、そもそも後期高齢者医療制度というあり方そのものに疑問を持っております。以上です。

○天畠大輔君 
代読します。
次に、かかりつけ医機能の情報提供制度について、三原参考人と菊池参考人、お2人に伺います。
私は、常に介助が必要な重度障がい者です。どんな場面においても、私のコミュニケーション支援と生命維持ができる慣れた介助者がそばにいなければ、議員活動はおろか、生きることすらできません。それは入院時でも同じです。介助者のサポートがなければ、医師や看護師と意思疎通ができず、医療ミスにつながります。また、私の障がいに合った介助技術を熟知していない看護師が介護すれば、けがのリスクはもちろんのこと、最悪命にも関わります。厚労省も入院時の介助者の付添いが可能である旨の事務連絡を出していますが、病院側は完全看護体制や感染対策を理由に付添いを断る事例が相次いでいます。
そんな私たちがかかりつけ医を決めるときに、受診時や入院時に「介助者の付添いが可能か否か」の情報は、大げさではなく、まさに生命線になります。「介助者の付添いの可否」をかかりつけ医機能の情報提供項目の中に含めることについて、三原参考人と菊池参考人、お2人のご意見をお聞かせください。また、障がい者がかかりつけ医を選ぶ際に必要となる情報について、ほかにどのような項目が考えられるのか、知見がございましたらご教示ください。

○参考人(三原岳君) 
ご質問ありがとうございます。
障がいを持たれている方に対する合理的配慮というのは、来年の4月から民間、あっ、来年6月にも民間の事業者にも義務付けられますので、これは、私は、先生がおっしゃっている点というのは不可欠だと思います。
どういう情報を、かかりつけ医機能情報提供制度、医療機能情報提供制度ですね、国民にどうやって開示していくのか、あるいはどうやって地域の医療情報を可視化していくのかというのは、おっしゃるとおり、障がいのある方が使いやすいような情報提供というのは当然私は必要だと思います。
たとえば、イギリスの医療制度というのは、ウェブサイトに見ると診療所の状況が全部分かります。そこにはバリアフリーというのが実は入っています。なので、例えば情報保障とか、付添い介助が可能なのかどうかというような、そういった点については情報が最大限出されて、なおかつ不足している情報に関しては医療機関が障がいのある方に情報を提供する、それが合理的配慮だと私は理解していますので、そういったところは最大限配慮して、配慮した方がいいと思っております。私からは以上です。

○参考人(菊池馨実君) 
先生のご指摘の点、私も賛成でございます。私、障害者部会の委員も務めておりまして、そこで、その委員、当事者、関係者の皆様から入院時の障がい福祉サービスの利用継続という非常に強い声をいただいているということも承知しております。それを受けての運用改善というのが一定程度図られているとは思うのですが、今先生からご指摘のあった、実際には現場ではそれが実施されていないじゃないかというご指摘だと思います。
そこはしっかり実態を検証することが必要だと思いますし、また、かかりつけ機能の方にどういう情報が必要かということにつきまして、私はちょっとそちらは具体的なアイデアはないのですが、そういったことを決めていく会議体などの中に医療関係者、介護ぐらいまでは、ちょっと私存じ上げないんですが、入るとしても、障がい者のニーズとか、そういったものが反映、適切に反映されるような仕組みになっているかどうかというのをちょっと存じ上げないんですけれども、そういった部分もちょっとチェックした上で、もしそうなっていないとしたら、その障がい者の皆様の声を、ニーズを把握できるような何らかの形を入れていく必要があるのではないかと思います。以上です。

○委員長(山田宏君) 
速記を止めてください。

○委員長(山田宏君) 
速記を起こしてください。

○天畠大輔君 
高齢者医療制度の話に戻りますが、山本参考人に伺います。高齢の障がい者が病院での受診を控える実態についても、ご存じでしたら詳しく教えてください。

○参考人(山本淑子君) 
ご質問ありがとうございます。
申し訳ございません、私、詳しい情報は持っておりませんが、医療を受ける権利ということではないんですけれども、例えば天海訴訟などで、その人がその人らしく、障がい者の方が高齢になってもその人らしく暮らすために様々な保障制度、必要だと思います。それまで使われていた障がい制度を、高齢になったということで介護保険に無理やり移行させられるというようなことも起きております。
医療の現場でも、もしかしたら医療者、私たちが気が付かないで、障がい者の方々がご苦労されたりとか医療を受ける上で障がいになっていることがあるかもしれませんので、そういったことについて、私どももこれから十分皆様方のご意見伺いながら対応していきたいというふうに思います。以上です。

○天畠大輔君 
ありがとうございました。